フルートの吹き方を変える時の問題とまずやっておきたいこと
フルート初心者の方に限らず、フルートが上達するためには吹き方を少しずつ変えていく必要があります。
例えば、息の強さや量を変えてみたり、口の形の作り方を変えてみたり、タンギングをやり方を変えてみたり。
でも、吹き方を変えた時にうまくいかないことはたくさんあります。
レッスンで教わった通りにしているのにうまくいかない、とかですね。
今回は、そのあたりについて書いていこうと思います。
●急に大きく吹き方を変えすぎている
吹き方を変える時に多いのは、急に吹き方を変えすぎてしまうことです。
例えば、息が弱いから強く吹いてみてください、と言われた時に、急に思いっきり息を吐いてしまえば、息が強くなりすぎて音が息の音ばかりになったり、音自体が出なくなったりしてしまいます。
口の状態などもそうで、口に力が入っているから力を抜きましょう、と言われて急に口の力をすべて抜いてしまったら、音を出すために必要な口の形が作れなくなってしまいます。
吹き方を変える時は、急に大きく吹き方を変えるのではなく、少しずつ調整をしながら吹き方を変えていくようにしましょう。
●変えてるつもりで実はまったく変わっていない
もう1つよくあるのは、吹き方を変えているつもりで実はまったく変わっていない、ということ。
息を今までよりも強く吐いているつもりでも、実は口に力が入っているだけで息は変わっていないということもよくあります。
同じように、口の力を抜いているつもりでも、実は何も変わっていない、ということもよくあります。
このタイプの方の場合は、レッスンを受けている方は先生に変わっているかどうかを確認してもらったり、楽器をやっている友人がいればその方に変わっているかどうかを確認してもらうようにしましょう。
●吹き方を変える時は注意深く自分のことを観察する
吹き方を急に変えすぎたり、変えているつもりで実は変わってなかったりと、吹き方を変えていくということはとても難しいことです。
「じゃあ、どうすればいいの?」
ということになってきますが、まずのスタートは自分の吹き方を注意深く観察することからスタートしましょう。
息のことなら、
・良い音が出る息の強さに対して、自分の息の強さが強いのか弱いのか
・良い音が出る息の量に対して、自分の息の量が多いのか少ないのか
まずはこのようなことを意識しながら、自分の吹き方を注意深く観察をしていきましょう。
自分の現在地を知ることで、自分の吹き方をどう変えていけばいいのかが分かります。
一番良い方法は、専門の先生に教わりながら、
・自分の現在の状況
・どのように吹き方を変えていけばいいのか
を教わることがベストです。
それが出来ない方は楽器をやっている友人の方に聴いてもらう。独学でフルートを練習をしている方は、自分のことを注意深く観察をしながら練習をしていきましょう。
吹き方を変えていくということは、新しい発見をし続けるということでもあります。
まずは、自分の吹き方を客観的に注意深く観察をして、どうやって吹き方を変えていけば良くなっていきそうかを考えてみる時間を作ってみてください。
フルートの低音域が出にくい原因
こんにちは、フルートの小林です。
最近のレッスンで、「低音になると音が出なくなるんです」という相談を受けたので、今日はそのあたりについて書いていこうと思います。
フルートの低音は、よく使う中音域に比べると出しにくいですよね。
特に、低音のファから下、つまり右手を使う音になってくるととたんに音がうまく出なくなる方が多いです。
生徒さんをよく見ていると、いくつか傾向はあるので紹介しておこうと思います。
もし自分が「そうかな」と思ったら、練習の中で気にしてみてください。
●フルートを1年以上メンテナンスしていない
まず多いのは、フルートを1年以上メンテナンスをしていない場合。
これは、フルートの調整の問題で低音が出にくくなっています。
フルートは、キーの下にタンポが付いていますが、これは練習していく中で徐々に変形したりして隙間が開いてきます。
そうすると、キーを押した時にしっかりふさがらなくて、音が出なくなってしまうことがあります。
これが原因で低音が出なくなっている場合は、フルートを調整してもらうことで低音の鳴りが良くなってきます。
フルートは、1年に1度は専門の方にメンテナンスをしてもらう必要があるので、1年以上メンテナンスに出していない方は、一度フルートをしっかり調整してもらうようにしてください。
●口の形が変わりすぎている
フルートの低音は中音域などに比べると、どうしても出しにくい印象があります。
なので、下の音にいけばいくほど、どんどん無理に音を出そうとしてしまって、口の形が変わっていってしまいます。
もちろん、中音域の口の形と低音の下の方の音の口の形は違います。
でも、変わりすぎてしまうと、音が出しにくくなってしまうので注意が必要です。
感覚としては、低音のシと最低音のドの音の口の形は同じだと思って吹いていくと、自然な範囲で口の形が変わるので、音の良い状態を保ちやすいです。
でも、ここは口の形を注意深く観察をしながら練習していく必要があるので、まずは自分の口の状態が変わっているのかどうかを確認しながら練習をしていくようにしましょう。
●フルートの角度が変わってしまう
出しやすい低音のシあたりの音に比べると最低音のドあたりの音は出しにくいため、無理に音を出そうとしてフルートを内側に向けてしまう方もいます。
そうすると、息の当たり方が変わってしまうので、そのせいで音がうまく出なくなってしまうこともあります。
この場合、鏡を見ながら練習をすると、フルートの角度が動いているかどうかを確認しながら練習をしていきましょう。
ポイントは、
・左ひじが上がっていっていないか
・右手首が動きすぎていないか
このあたりを鏡を見ながら注意して練習をしてみると、うまく音が出ない時の体の動きの癖が見つかるかもしれませんよ。
●強く吹きすぎている
あと、吹奏楽をやっている方に多いのは、強く吹きすぎて低音の音が出なくなっている状況です。
吹奏楽の中でやっていると、周りの音が大きいからどうしても強く吹きすぎてしまいます。
そうすると、低音を出す息としては、量が多くて強くなりすぎてしまうこともあります。
特に吹奏楽をやっている方は、息の出し方が強すぎないか、量が多すぎないかを気にして練習をしてみましょう。
特に、いつも音程が高いと注意される方はこの傾向があるので、注意してみてくださいね。
フルートを練習していてスランプになりやすい人の特徴
こんにちは、フルートの小林です。
フルートの練習を続けていくと、調子の良い日と悪い日が出てきます。
もちろん、人間なので毎日同じ調子を続けるということは難しくて、どんなに上手な方でも調子の波は必ずあります。
でも、そこから「スランプ」というものになっていってしまうと、調子の波が・・・と言っていられなくなってきます。
スランプは、ずっと調子の悪い状態が続いてしまうのですが、この状態になってしまうと元の吹き方に戻していくのにかなりの時間や労力がかかります。
というのも、無理な吹き方を続けてしまってそれが癖になってしまっているので、それを直すのが大変なんですね。
今までもスランプだという方のレッスンをしてきましたので、昔のことを思い出しながらスランプになりやすい方の傾向を書いていってみようと思います。
●「○○しないといけない」と思いがち
自分がレッスンをしてきて思うのは、まじめな方ほどスランプの状態になりやすいように思います。
例えば、練習していて、
「もっと○○しないといけない」
と思ってしまいやすい方は、ちょっと注意が必要です。
何かをしないといけないと思って練習をしていると、徐々に良くない方向に進んでしまいやすいです。
特に不安になって、
「もっと練習しないと上手になれない」
と思ってしまう方は、気をつけましょう。
無理に「練習しないと!」と思ってやると、体に力が入ったままになってしまって余計な癖がついてしまいます。
それを続けると、徐々にスランプの状態になっていってしまいますからね。
練習は「やりたいからやる」と、前向きに取り組むことが大切ですからね。
●基礎練習が嫌いで好きな曲ばかり吹いてしまう
技術的な部分で多いのが、基礎練習が嫌いな方はスランプになりやすいです。
好きな曲を吹くのはとても大切なことですが、それだけだとフルートを良いコンディションで演奏するために必要な基礎力がついてきません。
ロングトーンや音階練習、半音階の練習などを使って、フルートを良い音で演奏するための基礎力をつけておくことで、スランプになることをふせげます。
基礎練習は地味であまりおもしろくないため、とうしても面倒くさくなってやらなくなってしまいやすいです。
毎回の練習の中で、必ず基礎練習をしっかりしていくようにしましょう。
●自分の吹き方の癖を知らない
これは自分も昔そうでしたが、自分の吹き方の癖を知らないまま練習を続けていった結果、スランプの状態になってしまう方もいます。
吹き方の癖が分かっていえばその部分を注意して練習をしていくことで、どんどん良い音が出る吹き方になっていきます。
でも、自分の癖を知らずに練習を続けていくと、その癖が強くなっていってしまって調子が悪い日が続くようになり、最終的にスランプの状態になっていってしまうんですね。
これは、特に独学でフルートをやっている方がよくなる傾向にあります。
どうしても、独学でフルートを練習していると、自分の癖に気付くきっかけのないまま練習を積み重ねてしまいやすいです。
そうすると、気が付いた時には大変なことになっている、という方もいらっしゃるんですね。
そうならないためには、単発でもいいので専門の先生のレッスンを受けてみて、そこで自分にどういう癖があるのか聞いてみましょう。
そうすることで、自分にどんな癖があって、どうやって直していけばいいのかが分かってきます。
スランプの状態にならないためには、
・自分の癖を知って
・基礎練習もしっかり練習して
・前向きに練習に取り組むこと
これが大切です。
もしスランプになって悩んでいる方は、自分はどれが足りないかを少し考えてみてください。
そうすると、何か答えが見つかるきっかけになるかもしれませんよ。
フルートの音のイメージを作るためのYOUTUBE活用方法
フルートで良い音を出せるようにするためには、基礎練習も大切ですが、どんな音が良い音なのかを知ることはとても大切なことですね。
良い音と言っても色々あって、個人的には、
自分が好きな音=自分にとって良い音
じゃないかな、と思っています。
だから、まずは自分がどんな音色の音が好きなのかを知る必要があるんですね。
そのためにはどうするかというと、やはりたくさんのフルート奏者の演奏を聴くことが一番です。
そうすると、「自分はこういう音が好き」「こういう音はあまり好きじゃない」という感じで、徐々に自分の音色の好みがはっきりしていますからね。
本当はコンサートにたくさん足を運んで、ホールでフルートの演奏を聴くのが一番良いです。
でも、地方にお住まいの場合(僕が住んでいる地域もそうですが)、なかなかフルートのコンサート自体がなかったりしますよね。
そういう時にどうするかというと、CDを聴いたり、YOUTUBEを活用して色々なフルート奏者の音色を聴くようにします。
今回は、このブログを読んだ後にすぐに聴けるように、生徒さんにも話しているYOUTUBEの活用方法を書いてみようと思います。
●聴き比べをするためのYOUTUBEの活用方法
今は、色んなフルート奏者がご自身でYOUTUBEに動画をアップしていたりと、自宅のパソコンで気軽にフルートの演奏を楽しめる時代になりました。
パソコンの前に座ってYOUTUBEを開けば、そこで一度にたくさんのフルート奏者の演奏が聴けます。贅沢な時代ですね。
動画の検索方法を少し考えるだけで観られるフルートの動画の数はかなり変わってくるので、少し検索方法について書いていこうと思います。
よくあるのは、
・知っているフルート奏者の名前を日本語(漢字やカタカナ)で検索する
この検索の方法です。
日本人のフルート奏者の場合はこれでもいいですが、海外のフルート奏者の場合はこれだとあまり出てこないことが多いです。
なので、少し検索方法を変えます。
1、ヤフーやグーグルで「フルート奏者」と検索します
2、気になったページにアクセスして海外のフルート奏者の名前を調べます
3、気になった名前を、もう一度ヤフーかグーグルで検索します
4、ウィキペディアなどに載っているそのフルート奏者の原語の名前を探します
5、その名前をコピーします
6、YOUTUBEの検索窓に「flute」と入れて、その後にコピーしたフルート奏者の名前を貼り付けて検索します
この手順でYOUTUBEで検索すると、日本語で検索していた時よりもたくさんの動画を探すことができます。
YOUTUBEは、少し検索方法を変えれば世界中のフルート奏者の動画を観ることが出来るので、自分の好きな音色、好きな演奏を探すにはとても役に立ちます。
フルートの演奏を聴きになかなかホールに足を運べない地域の方は、ぜひYOUTUBEを活用して自分の好きな音色のイメージを探してみてくださいね。
フルートの音程が下がってしまう理由
フルートを練習していくと、音の終わりの部分で音程が下がってしまうことがあります。
このブログを読んでくれている方の中には、吹奏楽をやっている方もいると思いますが、吹奏楽だと「音がぶらさがる」という言い方で注意されることもありますよね。
音の終わりで音程が下がる、というのは、フルートを吹いていると悩む方はかなり悩まれます。
実際にどうしたらいいのか分からず、悩みが深くなっていってしまう方も多い部分です。
これは、フルート初心者の方に限らず悩んでいる方が多いと思いますので、少し書いていってみようと思います。
●音程が下がる原因は3つ
まずは、音程が下がる、低くなる原因をちょっと考えてみましょう。
音程が低くなる原因は、大きく分けると、
・息が弱くなる(遅くなる)
・息の方向が下に向いていってしまう(吹き込んでいってしまう)
・フルートを内側に向けていってしまう
この3つが原因になっていることが多いです。
実際にレッスンをしている中で、音程が下がる、低くなる方でどれが一番大きな問題になっているかというと、
・フルートを内側に向けていってしまう
これです。
息が弱くなっても音程は下がりますが、フルートを内側に向けた時ほど大きな変化にはなりません。
・息の方向が下に向いていってしまう(吹き込んでいってしまう)
これは、「フルートを内側に向けていってしまう」と大体セットになって起こることが多いです。
つまり、
1、苦しくてフルートを内側に向けてしまう
2、息がフルートの中に入りすぎてしまう(吹き込んでしまう)
3、結果として音程が下がってしまう
このような流れでしょうか。
実際にレッスンの中で生徒さんを見ていても、苦しくなってくると最後にフルートを内側に向けてしまっている方は多いです。
その方は、やはり音の最後で音程が下がってしまっているんですね。
これは、吹奏楽部のレッスンに行って中高生を教えていても、同じ状況です。
なので、音の最後で音程が下がってしまう方は、苦しくなった時にフルートを内側に向けていないかを気をつけて練習してみてください。
その時のポイントが、「左手のひじ」です。
苦しくなった時の生徒さんを見ていると、少し左ひじが上に上がる方が多いんですね。
左ひじが上がれば、自然にフルートは内側に向いてしまいます。
そうすると、音程が下がってしまうんですね。
フルートを内側に向けないように気をつけよう!と思って練習してもうまくいかない方は、左ひじが上がっていないかを鏡で見て確認をしながら練習をしてみてください。
左ひじが動いているかどうかが確認出来れば、あとはそこを気をつけながら練習すれば今よりも音程は下がらなくなっていきますから。